医学・医療系

医療情報技師 医学・医療系の必須問題⑧ EBM

医療情報技師 医学・医療系の必須問題⑧について説明していきます。

医療情報技師試験 医学・医療系の必須問題⑧

EBM(Evidenced based medicine)

医療に関するデータは数多くあります。

例えば、ある有名な先生の意見であったり、数万人規模で大規模な臨床調査など。

果たしてどちらか信用に足りるデータでしょうか?

たとえどんなに有名な先生の意見であっても、信用に足りるデータは客観的なデータです。

現在の医療は、個人の感覚ではなく多くの臨床試験によって成り立っています。

この場合は、どちらの薬を使った方が余命が長いかなどは、全てデータを基に決められています。

この様に証拠を基に治療を行うことをEBM(根拠に基づく医療)と言います。

 

エビデンスレベル

先ほど述べたように、データには信頼に足りる(もっともらしい)かどうかで、エビデンスレベルが設定されています。

研究手法 エビデンスレベル
1a ランダム化比較試験のメタアナリシス
1b 少なくとも一つのランダム化比較試験
2a ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究
2b ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究
3 症例対照研究(ケースコントロール, 後ろ向き研究)
4 処置前後の比較などの前後比較、対照群を伴わない研究
5 症例報告、ケースシリーズ
6 専門家個人の意見(専門家委員会報告を含む)

う~ん、単語が難しいですね。

少しだけ、単語の解説をします。

ランダム化比較試験

介入群(例:本当の薬)と非介入群(例:プラセボ薬)をランダムに割り付けを行う臨床試験のこと。

 

メタアナリシス

複数の臨床研究をまとめて解析を行うこと。

 

コホート研究

コホート研究におけるキーワードは、「前向き・後ろ向き研究がある」、「相対危険度を算出できる」です。

<時間がある人や理解したい人は読んでください>

特定の要因を曝露した群と曝露していない群を追跡調査して要因と疾患の発生の関連を調べる観察的研究のことをいいます。

例えば、放射線を曝露した群と曝露していない群で将来的いったい何の影響かあるかを調査するような研究です。

基本的に、今現在曝露した群が将来どうなるか調査する研究のことですね。このような観察研究を、前向き研究といいます。

昔に遡って曝露した群が現在どうなっているのか調査する研究のことを、後ろ向きコホート研究といいます。

コホート研究といえば、基本的には「前向き」です!

また、曝露の影響で一体どれくらい疾患を引き起こす可能性があるのか(相対危険度)を算出することが出来ます。

 

症例対照研究

症例対照研究におけるキーワードは、「後ろ向き研究」、「オッズ比のみ算出可能」です

<時間がある人や理解したい人は読んでください>

疾患にかかった人は、何が原因で疾患になったか調査する研究のことをいいます。

例えば、脳梗塞の原因はたばこであったなど。

症例対照研究では、相対危険度を算出することができません。

ですが、症例対照研究では、オッズ比を算出することは可能です。

オッズ比とは、「たばこは脳梗塞のリスクを○○倍にする」の○○倍のことですね。

意味は分からなくても、覚えましょう!

「コホート研究は相対危険度」「症例対照研究はオッズ比」

これまでの出題傾向①

問48
コホート研究について正しいのはどれか。2つマークしなさい。
1) 介入試験である
2) 横断的研究である
3) 前向きと後ろ向きがある
4) 相対危険度を求めることができる
5) 疾患・非疾患群の観察数を揃えやすい

2015年 医療情報師能力検定試験 医学・医療系 出題

 

 

 

 

答えは、3、4です。

上記の説明を読むと解けると思います。

1) コホート研究は、観察研究

2) 横断研究は、ある一点だけを見る研究手法です。(例えば、2016年1月の医師の男女比率など)

コホート研究は、追跡調査を行うので、横断研究ではありません。

3)、4) その通り

5) 原因(放射線)→結果(何の結果になるか)を調査するのがコホート研究です。

問題での疾患は要因を指しています。ですので、要因曝露群と非曝露群は任意の数で調査できるため、揃えやすくなります。一方で、症例対照研究では、結果→原因を調べる調査研究ですので、原因となる要因曝露群と非曝露群の数を揃えることは出来ません。

 

これまでの出題傾向②

問45
症例対照研究で得られるのはどれか。解答記入欄(45)にマークしなさい。
1)発症率
2)有病率
3)オッズ比
4)バイアス
5)相対危険度

2016年 医療情報師能力検定試験 医学・医療系 出題

 

 

 

 

答えは、3です。

超定番問題です。

「コホート研究は相対危険度」「症例対照研究はオッズ比」

これだけは、覚えておいてください。

この問題は、医療情報技師だけでなく、医師・看護師・薬剤師国家試験でも超定番問題です。

 

今回は、医学・医療系の必須問題⑧として、EBMについての説明でした。

お読みいただき、ありがとうございました。

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