今回は、医療情報技師 情報処理技術系の必須問題⑤について説明していきます。
医療情報技師試験「情報処理技術系」の必須問題⑤
暗号化と複号
個人情報の塊を普段取り扱っていますので、セキュリティへのニーズは高まっていると思います。
今回は、暗号化と復号について説明します。
この辺りはやや現場から離れた知識のように感じますが、おそらく常識的な知識として出題されているのではないかと思います。
現時点(2017年1月)では医療情報技師で出題されるのはパターン化されています。
覚えておいて欲しいのは、「共通鍵暗号方式」と「公開鍵暗号方式」の二つです。
共通鍵暗号方式
文字通り暗号化と復号は同じ鍵を使用します。
送信者と受信者は1対1の関係となりますので、送信する相手が複数いればそれぞれに鍵が必要です。
ポイント
・鍵の数は、n(n-1)/2個。人数が増えると急激に鍵の数が増える。
・処理時間は短い
公開鍵暗号方式
公開鍵暗号方式は、暗号化用と復号用の鍵がそれぞれ違います。
受信者に送ってもらった公開鍵で送信者が暗号化を行い、受信者が秘密鍵で復号します。
ポイント
・鍵の数は、2n個必要
・処理時間が長い。
これまでの出題傾向①
問42
公開鍵暗号方式について誤っているのはどれか。番号を解答記入欄(42)にマークしなさい。
1) 電子署名に利用される。
2) 暗号化と復号で鍵が異なる。
3) 送信者が受信者の公開鍵で暗号化する。
4) 共通鍵方式よりアルゴリズムが複雑である。
5) 送信者と受信者の組み合わせの数だけ鍵が必要である。2016年 医療情報師能力検定試験 情報処理技術系 出題
答えは、5です。これは、共通鍵暗号方式(ご指摘により修正させて頂きました。混乱を招き申し訳ありません。)の説明です。
明らかに5が違います。1~4は公開鍵暗号方式の説明です。
公開鍵暗号化方式のアルゴリズムは、認証や電子署名に用いることが出来ます。
これまでの出題傾向②
共通鍵暗号方式について正しいのはどれか。
1) 電子署名に利用される。
2) 暗号化と復号で鍵が異なる。
3) 代表的な暗号化アルゴリズムとしてRSAがある。
4) 公開鍵方式より暗号化アルゴリズムが複雑である。
5) 送信者と受信者の組み合わせの数だけ鍵が必要である。2015年 医療情報師能力検定試験 情報処理技術系 出題
答えは、5です。デジャヴかと思いますね。2015年と2016年はほぼ同じ問題が出題されています。
これも補足しますと、代表的な暗号化アルゴリズムは、以下の通りとなります。
共通鍵暗号方式 | 公開鍵暗号方式 | |
代表的なアルゴリズム | DES、AES |
RSA、 離散対数暗号、楕円曲線対数 |
これまでの出題傾向③
問34
公開鍵を用いた暗号化通信で必要となる鍵の組み合わせはどれか。
1) 送信者の公開鍵と受信者の秘密鍵
2) 送信者の公開鍵と送信者の秘密鍵
3) 送信者の公開鍵と受信者の公開鍵
4) 受信者の公開鍵と受信者の秘密鍵
5) 受信者の公開鍵と送信者の秘密鍵
答えは、4です。二つの方式を覚えておけば難なく解ける問題です。
暗号化方式には、共通鍵暗号方式と公開鍵暗号方式の二つをくっつけたハイブリッド暗号方式というものがありますが、まだこれまで出題されたことはありません。
今のところまだ覚えなくていいでしょう。
今回は、今回は、医療情報技師の情報処理技術系の必須問題⑤について説明しました。
お読みいただき、ありがとうございました。